2023年7月4日、リヒテンシュタイン、バルザース ー 焼入鋼、ステンレス鋼、高温合金を加工する場合、工具は高い熱負荷にさらされます。エリコンバルザースは、高品質な表面処理ソリューションのグローバルテクノロジーブランドとして、BALIQ TISINOS PROで新たな業界標準を打ち立てました。これらの材料用に特別に開発されたこのPVDコーティングは、工具への負荷を軽減し、硬度70HRCまでのスチールを加工する際の耐摩耗性を大幅に向上させます。顧客は、より長い工具寿命と高品質の生産品から利益を得ることができます。
微細構造を改善した新しいPVDコーティング： BALIQ TISIONS PROでコーティングされた切削工具とマイクロツールは、液滴のない滑らかな表面と極めて均質なコーティング膜厚分布が特長です。これにより、硬度70HRCまでの鋼を加工する際に、スムーズな切り屑の排出と最適な刃先の鋭利さが保証されます。
エリコンバルザースが開発したS3pテクノロジーは、卓越した平滑性、均一な膜厚分布、極めて高い密度、硬度、基材との密着性、高い耐摩耗性を備えたコーティングを実現することで、従来のHiPIMSを凌駕しています。
高精細のPVDコーティングBALIQ TISINOS PROは、シャープな刃先を保証し、特に超小径工具では、切削抵抗の低減と高い加工安定性をもたらします。
エリコンバルザースのコーティング技術S3p（Scalable Pulsed Power Plasma）は、同ブランドの技術的リーダーシップと専門知識の一例です。アーク蒸着とマグネトロンスパッタリングコーティングプロセスの利点を組み合わせ、従来のHiPIMSコーティングの限界を克服しました。S3pの利点は、より長い高電流パルスと高密度で、コーティングの強力なイオン化を引き起こすことです。その結果、BALIQコーティングは、卓越した平滑性、均一なコーティング分布、極めて高い密度、硬度、基材との密着性、高い耐摩耗性をもたらします。
現在、70 HRCまでのスチールの加工はさまざまな産業で一般的であり、新しいPVDコーティングBALIQ TISINOS PROは、さらに高い靭性と耐摩耗性を提供する強化された微細構造を持っています。そのユニークな特質のひとつは、微細加工用工具にとって特に重要な、卓越した平滑性です。これにより、均一な切りくずの排出を可能にし、スクラップを最小限に抑え、高価で時間のかかる機械的な再加工を回避することができます。
AlTiSiNベースのコーティングは、高い熱負荷に耐え、超硬基材を熱腐食や酸化から保護します。均一な膜厚分布により、BALIQ TISINOS PROはあらゆる形状や切れ刃を均一に保護し、切削抵抗の低減とプロセス安定性の向上につながります。
お客様のボールノーズ加工テストでは、BALIQ TISINOS PROは従来品の工具寿命をはるかに上回りました。つまり、BALIQ TISINOS PROは、工具寿命を大幅に延長し、加工の信頼性と効率を向上させます。また、BALIQ TISINOS PRO の優れた性能である、より速い切削速度により、加工時間の短縮と総生産コストの削減をもたらします。
BALIQ TISINOS PROは、洗練されたマルチレイヤ―構造により、従来のコーティングと比較してエンドミルの寿命を平均50%延長します。これにより、工具交換の必要性とそれに伴うダウンタイムが削減され、全体的なエネルギー消費量の削減につながります。また、エンドミルは再調整して寿命を延ばすことができるため、新しい工具の需要を約30%削減することができ、エリコンは金属加工産業において持続可能で資源効率の高いサプライヤーとなっています。
工具・金型部門の責任者であるアンドレアス・ライター博士は、「微細構造が改良されたことで、BALIQ TISINOS PROの特性をさらに高めることができました。このコーティングは、特に微細加工において、高品質な部品を生産する、より安定した信頼性の高い加工プロセスを可能にし、工具交換の削減につながります。また、顧客は工具をBALIQ TISINOS PROで再コーティングすることができ、工具コストを削減し、貴重な原材料を節約することで持続可能性の目標を達成することができます」と話します。
BALIQ TISINOS PROは、2023年9月18日から23日までドイツのハノーバーで開催されるEMO 2023で初めてライブ展示されます。
